電子インク技術

電気泳動式電子インク(Electrophoretic Ink)技術は、一般的に電子インク(Electronic Ink)と呼ばれています。プラスチックフィルム上に電子インクを塗布し、さらに薄膜トランジスタ(TFT)回路を貼りつけ、駆動ICで制御してピクセル図形を形成することで、電子ペーパーディスプレイ(Electronic Paper Displays, EPD)ができ上がります。

電子ペーパーディスプレイの構造

ディスプレイ表面は電子ペーパーの材料であるマイクロカプセルが塗布されたフィルムが貼られた構造となっているため、LCD液晶パネルのように表面割れによるガラスの飛散という心配がありません。

また、マイクロカプセルの材料成分は人体に影響を与えないため安心です。

電子ペーパーディスプレイの構造

特徴

画面を更新する時だけ、電力を消費します。一度表示された画像は、次に更新するまで保持され、その間は電力を消費しません。
他の表示デバイスに比べて圧倒的な省電力を実現します。

電子ペーパーはバックライトを持たず、紙と同じように、視野角がほぼ180の反射型表示で長時間見続けても目に優しく屋外の明るい場所での視認性も優れています。

フィルム状の前面板と駆動用の背面板を組み合わせるシンプルな構造が、薄くて軽いディスプレイを実現します。

 

消費電力 屋内の視認性 屋外の視認性 重さ 書き換え カラー 動画
電子ペーパー
液晶 × ×
有機EL ×
△(かさばる) × ×

 

視差ずれが少ない

液晶パネルとは異なり、ペン先とパネル間の距離を最大限薄く出来るので視覚のズレがほとんどありません。
また、専用のデジタイザーペンを使用し、紙に書くような自然な手書き感を実現します。

 

2色電子インクの原理

電子インクは、数百万個ものマイクロカプセル(Microcapsules)からなっています。マイクロカプセルは、人の髪の毛の直径ほどの大きさになっており、マイクロカプセル一粒一粒に、マイナスに帯電した白色顔料と、プラスに帯電した黒色顔料という2種類の電気泳動式粒子が含まれていて、それぞれ透明な液体の上下に浮かんでいます。プラスとマイナスがそれぞれ反対の電極へ吸着する原理を利用し、電界に電気を通すと、そのエリアに対応した黒色または白色の粒子がマイクロカプセルの上部へ移動していき、そのエリアが白色または黒色に映ります。

2色電子インクのアニメーション

 

3色電子インクの原理

E Inkは、3色電子インクシステム(モノクロ+赤色か黄色)も提供しており、近年では特に電子棚札(Electronic Shelf Label、略称ESL)への応用事例が増えています。

3色電子インクシステムの動作原理は、2色システムと同じように異なる電圧を加えることで、各種カラー粒子が上層へ移動し、様々な色を表します。3色システムは、マイクロカップ技術(Microcup®)を用いて開発されています。

 

アドバンスドカラー電子ペーパーディスプレイ(Advanced Color ePaper, ACeP)

2016年、E Inkは多色電子インクシステムを発表し、これをアドバンスドカラー電子ペーパーディスプレイ(Advanced Color ePaper, ACeP)と名付けました。ACePカラー電子ペーパーは、色のついた粒子によって、カラーフィルムを必要としないフルカラー表示を実現しました。これは、マイクロカプセル(Microcapsule)またはマイクロカップ(Microcup®)アーキテクチャを使って実行することができます。

2色または3色電子ペーパーと同様に、ACePも優れた低電力性、紙のような質感、日光下での視認性といった特徴を備えています。